低用量ピル(OC)”について

2013-12-05

低用量ピル(OC: Oral Contraception)とは?

 低用量ピルとは、Oral Contraceptives「OC」と呼ばれる、低用量経口避妊薬のことです。
計画的で確実性の高い避妊法として、現在日本の産婦人科・婦人科医の多くが推奨しているものです。OCについて知っておくことは、できることなら避けたい悲しい選択となる中絶手術や、あくまでも緊急的な避妊法であるアフターピル服用「EC」を少なくするためにも、女性にとってとても大切な知識であると思います。

 低用量ピルの中には、人工的に合成された卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストーゲン)という2つの女性ホルモンが含まれており、「排卵を抑制する」「受精卵を子宮内膜に着床しにくくする」「精子を子宮に入りにくくする」という主な3つの働きがあります。正しく服用すれば、ほぼ100%避妊ができるという優れた避妊薬です。この低用量ピルには、21錠タイプと28錠タイプがあり、1日1錠、ほぼ同じ時間に服用するようにします。21錠タイプには、1シートにホルモンが含まれている21錠の錠剤が入っており、7日間薬を服用しない期間があります。28錠タイプには、1シートにホルモンが含まれる錠剤が21錠とホルモンが含まれない7つの偽薬が入っています。これは、薬の飲み忘れを防ぐための処置です。

 低用量ピルを飲むことで起こる、以下のようなメリットも報告されています。 
①生理周期がコントロールできる…低用量ピルを服用すると、生理周期がきちんと28日周期になるため、毎月のスケジュールが立てやすくなります。
②生理痛が軽くなる
③生理時の出血量が減って、貧血が改善する
④子宮内膜症の悪化が防げる
⑤多毛症やニキビが改善する
⑥卵巣がん、子宮体がん、良性の乳房疾患のリスクが減る

 ただしどんな薬にも副作用の可能性があります。飲み始めに、体内のホルモンバランスがこれまでと違った状態になるため、吐き気、頭痛、不正出血、乳房の張り、倦怠感といったトラブルが起きる人もいますが、それもおおくは2~3ヵ月でおさまるものです。また、従来のピルの重い副作用としては、血栓症、心筋梗塞、脳卒中等が知られていましたが、低用量ピルではホルモン量をできる限り少なくしているため、そのリスクは低くなっています。なお、喫煙は血栓症がおこりやすくなるため、基本的には禁煙が必要です。

 2006年にOCの使用に関するガイドラインが改定されてから、OC希望者に必要な問診と血圧を測定し、その結果を踏まえて、OC服用に適した方に処方ができるようになりました。手軽な方法で始められるうえに、安全性が高いので、確実性の高い避妊方法として、当科でも、初めての方には十分な情報提供と説明の後処方いたします。安全に服用を続けていただくためにも、定期的な血液検査や子宮頸がん検診などは受けられることをおすすめします。

☆当科で初回ピル処方時の費用:3,000円+消費税(問診で検査が必要とされた場合は、検査結果を確認できる後日に処方したり、あるいは結果によっては処方できない場合があります。)

☆2回目以降、低用量ピル(1シート)処方時の費用:2,800円+消費税

※当科でOC希望された場合でも、問診や診察・検査の結果によって、月経困難症や子宮内膜症などの本来のおくすりの適応がある場合には、保険診療として治療を行う場合があります。

なわたクリニック/山口県宇部市
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